国も時代も超え愛される一途な「待ち」 「忠犬ハチ公」生誕100年
今年11月に生誕から100年を迎える忠犬ハチ公。主人の送り迎えをし、主人が亡き後も駅で待ち続けたというハチの逸話は、多くの人の心をつかみ、映画や銅像にもなった。8日はハチの命日。時代や国境をも超え、今なお多くの人に愛され続けている。
東京・渋谷のハチ公像。飼い主の死後も駅で待ち続けるハチを再現した像は、待ち合わせ場所の定番となっている。そのハチ公像から9千キロ以上離れたイタリアに、「初恋相手はハチ」と言う熱烈な女性ファンがいる。
イタリア北部・ベルガモ出身のステファニー・カーレッティさん(20)は10歳の時、リチャード・ギア主演の米ハリウッド映画「HACHI 約束の犬」を見て、けなげな姿に感動。ハチのことを調べ始めた。ハチを題材とした絵本も出版。ハチと出会える日を夢見てきた。昨年結婚したものの、初恋相手のハチは「今も常に心にいる」と笑顔を見せる。
今夏に初めて日本を訪れるといい、渋谷のほか、ハチの剝製(はくせい)がある国立科学博物館や墓がある青山霊園などを巡る予定だ。ハチ公像にかける言葉は決めている。「ずっと待って待って、ようやく会えたね」
ハチは1923年11月10日、現在の秋田県大館市で生まれた秋田犬だ。生後間もなく東京帝国大学に勤める上野英三郎博士に引き取られた。渋谷駅まで送り迎えをし、博士の死後も駅で帰りを待ち続けたことが東京朝日新聞に紹介されると、大きな反響を呼んだ。
ハチとの縁がつむぐ新たな出会い
生誕100年の今年、ハチゆかりの人々も思いを新たにする。
上野博士の玄孫(やしゃご)…
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